ゾンビ化した総長に溺愛されて始まる秘密の同居生活
勇人の足はさっき以上に早くなっていた。もしかしたらオリンピックに出るような選手と同じくらいまで早くなっているかもしれない。
うっそうとした森の中を颯爽と走る。すると下の方に舗装されたカーブを描く道路が現れた。勇人は崖をスノボで滑るようにして道路へと降り、更に走る。ここまで全速力で走っているのに彼の息は切れていない。
(すごいな……)
走って走って、道を進む。景色は一向に代わり映えしない。ただただ山奥のあまり管理が行き届いていなさそうな道路をひた走って下るだけだ。
(どれくらい多賀野くんが走ったら、麓まで到着するのだろうか)
勇人は私をお姫様抱っこしたまま山道をうねうねと走る。
その時。銃声が鳴り響く。
「っ!」
銃弾は勇人の左肩付近をかすめた。彼が後ろを振り向くと父親が車に乗り銃口を向けている。
「研究者として父親として……これ以上先へ行かせる訳には行かない。果林。さあ、早くそのゾンビから降りてこちらへ来なさい。そうすれば彼の命は取らない」
「……!」
悪役が言いそうなセリフを父親が話している。だが、私は1人にはなりたくない。
でも、そうすれば勇人が……。
「お父さんはさ、なんで私達にこだわるの? 他にもゾンビいるじゃん」
うっそうとした森の中を颯爽と走る。すると下の方に舗装されたカーブを描く道路が現れた。勇人は崖をスノボで滑るようにして道路へと降り、更に走る。ここまで全速力で走っているのに彼の息は切れていない。
(すごいな……)
走って走って、道を進む。景色は一向に代わり映えしない。ただただ山奥のあまり管理が行き届いていなさそうな道路をひた走って下るだけだ。
(どれくらい多賀野くんが走ったら、麓まで到着するのだろうか)
勇人は私をお姫様抱っこしたまま山道をうねうねと走る。
その時。銃声が鳴り響く。
「っ!」
銃弾は勇人の左肩付近をかすめた。彼が後ろを振り向くと父親が車に乗り銃口を向けている。
「研究者として父親として……これ以上先へ行かせる訳には行かない。果林。さあ、早くそのゾンビから降りてこちらへ来なさい。そうすれば彼の命は取らない」
「……!」
悪役が言いそうなセリフを父親が話している。だが、私は1人にはなりたくない。
でも、そうすれば勇人が……。
「お父さんはさ、なんで私達にこだわるの? 他にもゾンビいるじゃん」