ゾンビ化した総長に溺愛されて始まる秘密の同居生活
　だが、こちらには勇人がいる。1人ではない。
　しかし多勢に無勢寄りなのは変わらないが。

「ぐうっ……」

　タイプヴァンパイアの男子生徒2人はどちらもうちの学校の制服を着ている。そして髪をリーゼントにしていた。どう見ても不良である。となると勇人と面識があっても不思議ではない。
　そう考えているうちに勇人はタイプヴァンパイアの2人に飛び掛かり、持っていた鉄パイプで強烈な一撃を浴びせた。

「っ……」

　2人はどちらともうずくまるようにして倒れ、動かなくなった。らん達がぽかんと口を開けている間を見計らって私と勇人は階段を駆け上がり、バイクを停めてある箇所まで全力で走る。
　勇人は私と走る速度が同じくらいにはなっている。後ろを追いかけても追っ手は来ない。

「早く乗ろう！」

　素早くバイクに乗り込み、発進させる。ヘルメット被りっぱなしで良かった……。と胸の中で息を吐いたのだった。
　それにしても無事にここまで戻ってこれたのは勇人のおかげだ。

「多賀野くん。助かったよ。ありがとう」
「……うん。あいつら。あそこに……いたんだ」
「……仲間？」
「そうだった……」

　やはり地下にいたタイプヴァンパイアの男子生徒2人は勇人の仲間だったようだ。

（不良な見た目してたもんなあ）
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