ゾンビ化した総長に溺愛されて始まる秘密の同居生活
 それから勇人は学校中の不良から喧嘩を挑まれたが全てに勝利した。あの時助けたクラスメイトの男子もいつの間にか不良になり勇人のそばにいるようになった。

「多賀野勇人はやばい」
「あれはやばすぎる。近寄るな」
「喧嘩も強いんだってな」
「てか負けた事無いらしいぞ」

 勇人はあっという間に中学では敵無しになった。先輩後輩同い年関係なく、中学の不良はみな勇人の配下になったも同然だった。
 そして勇人の勢力は他校や他の様々な地域にまで拡大していき、結成されたのが暴走族・鬼龍会である。その総長に勇人はなった。

「総長が来たぞ!」

 鬼龍会の基地はあの埠頭にある倉庫の一画。立地や数年前から使われなくなった事もあり鬼龍会の基地になった。基地にした当初は警察が追い払いに来ていたが、諦めたのか次第に来なくなった。
 勇人は暴走族の総長になった事は両親や姉達には言わなかった。目立つ事をあまりよしとしない両親の考えとは反するからだと考えたからである。
 しかし、鬼龍会の規模は大きい。勇人が中学3年生になった時に彼が鬼龍会の総長である事が両親及びやくざ全体に知れ渡ってしまったのである。
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