ゾンビ化した総長に溺愛されて始まる秘密の同居生活
「勇人、なんでそんな事になったんだ?」

 やくざの拠点に父親と共に呼ばれる勇人。父親は落ち着いてそう勇人に尋ねた。

「長くなるけど……」

クラスメイトの小柄で気弱な男子がカツアゲにあっている所に遭遇し、見過ごせずにその場へと向かっていった事。2年の生徒は2人で勇人は難なく彼らの襲撃をしのぎ、逆に返り討ちにしてしまったの事。2人はそのまま尻尾を巻いて逃げていった。彼らの姿が見えなくなってから勇人はクラスメイトの男子に大丈夫か? と尋ねたら感謝の言葉と勇人は強いんだね。と言われた事を全て打ち明けた。

「なるほど。人助けだな?」
「うん。見過ごせなかった」
「……会長どうしますか?」
 
 父親はやくざの会長に判断を求めた。会長はしばらく考え込むとやがてふっと穏やかな笑みを浮かべた。

「勇人くんは良い子だ。なら、勇人くんの好きにしていい」
「……!」
「会長、ありがとうございます。勇人も挨拶するんだ」
「あ、ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです……!」
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