私を変えて
「それは瞳子ちゃんだけでしょ。食べるためだよ!美味しいものを食べることこそが人生の喜びなんだよ?食べることが嫌いな人なんていないでしょ?」

「まあそうだけどさ、あんたほど食に類まれなるパッションを持った女はそうそういないと思うよ。」

「将来は船で世界中の美味しい食べ物を食べる旅に出るんだぁ。」

「そういうところが残念なんだよなぁ。」

笑いながらそう言う瞳子ちゃん。

「へ?」

「彩葉ってさ、結構、っていうかかなり可愛いじゃん?」

瞳子ちゃんがスマホをパタリと閉じて私の方へ向き直る。

「えへへ。それほどでも〜。」

いきなり褒められてちょっと嬉しくなっちゃう。
あんまり瞳子ちゃんに褒められることないから嬉しいなぁ。

「ぶへっ。」

次の瞬間、思わず緩ませていた頬を突然ぶにっとつぶされる。

「いひゃいよ〜!」

「なのにぜんっぜんモテないじゃん?」

「ぶはっ。」

少しムッときて急いで瞳子ちゃんの手から離れる。
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