冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる
「何故、さも当然のように応援もらえると思っているんですか?」
「えっ・・・?」
ピンク色の双眼が震えた。
あやなは変わった。
本人でも気づかないうちに傲慢になっていたのだ。
以前なら応援してほしいと控えめに願いでていたはずなのに、今日は応援してもらえることを前提に話していた。
これは周りの環境──主に友人や構成員──がそうさせたのだろう。
あやなの傍にはあやなの恋を応援する者しかいないから。
だがいくら原因が環境にあったとしても、それがあやなを咎めない理由にならない。
人に何かしてもらう側の人間が、それを当然のように語るのはご法度だ。
「これは助言ですが──」
肩を掴み、耳元で囁く。
「そんな考え方のままでは、【黎明】ではやっていけませんよ」
低く重く音を落とすと、あやなはぺたんとその場に座り込んだ。