冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる
さっきから揃いも揃ってなんなんですか。


「冴妃分かってないな〜。姫ちゃんは困惑したけど嫌がってなかったよ。大方豹牙と食事する場面想像して緊張したとかでしょ」

「情報収集上手なくせにそういうとこ鈍いよな」

「あとグラスもさ〜、さっさと受け取って豹牙に渡してたよね」

「あれは最早反射です」


あやなが豹牙さんにグラスを渡したかったと気づいたときにはもう私が渡してましたし。


それよりも先程からの2人の発言が妙に引っかかる。

まさか・・・──。



「もしかして2人もあやなを応援しているんですか?」

「ん、いや?冴妃いじるの楽しいから言ってるだけ」

「同じく」



私の懸念を他所に、2人はケロりと言い切った。

その回答に安堵した私はきっと疲れている。
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