冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる
夏の逃避行
『一条冴妃』は可愛いものが大好きな女の子。

好きな食べ物は甘いもので好きなことはお花を見ること。

長期休みの一番の思い出はいつも家族旅行。

飛行機や新幹線に乗って色々な県を観光するのが何よりも楽しい。


───これは両親の脳内で創り上げられた『一条冴妃』のことだ。


本当の『私』はこんなのじゃない。


甘いものは昔から大の苦手だけど、両親にそう伝えても「太るかもって気にしてるの?そんなことないよ!冴妃ちゃんは痩せてるから大丈夫!」と言われ、まともに取り合って貰えなかった。

またあるときは「せっかく買ってきたのに食べないの!?もったいない!!」と怒られ渋々食べた。

こんなことを繰り返していたらいつの間にか私は甘いものに目がないと認知されていた。


花にだって大して興味無い。

これを積極的に花畑に連れていきたがる母親に伝えたら
「そんなことを言うの!?私は冴妃ちゃんも為にたくさん調べてるのに!?・・・もういい!勝手にして!」とヒステリックを起こされ、
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