冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

「昨日、あやなと密会しているのを見ました。いつの間にあんなに親しくなったんですか?」


正確には会話の内容は聞き取りませんでしたし見たのも影だけですが、と付け加える。

怖いもの見たさでちらりと様子をうかがうと、豹牙さんは眉をひそめていた。


「・・・あれも密会に入るのか。そうか」


そう低く呟くと、ポケットからファンシーな紙を取り出し私に手渡した。

それには見たことのある丸っこい字が並んでいた。


「あやなからの手紙・・・?」

「昨日の昼に裕次郎が預かったらしい」

「私が見てもいいんですか?」

「あぁ。後は捨てるだけだからな」


『豹牙さんへ
大切なお話があるので今夜、海辺に来てもらえませんか?いつまでも待ってます!
あやなより』


海辺って広くないですか。
よくそんな曖昧な表現で会えましたね。


「・・・これを読んで会いに行ったってことですか?」
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