冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

そう突っ込みかけたが、ここで話の腰を折ると長引きそうなので寸前で飲み込んだ。


あやなは胸の前で手を組みながら話を続ける。



「それなのに男の子たちはわたしに絡んできて、それが嫌であえて地味な格好をしていたんです。でも、豹牙さんがわたしを助けてくれたから、本当のわたしの姿で頑張ろうって思ったんです。なのに、豹牙さんの近くにいられないなら、わたし・・・」



中途半端なところであやなは俯き、黙ってしまった。


全く話が見えない。
自分の話を聞いて欲しいならもっと聞き手に寄り添うべきだと思う。

要は想像と違った・・・ということでしょうか。

きっと豹牙さんが事情をあまり説明せずに連れてきたんでしょうね。現に姫が何をするのか知らなかったですし。



「辞めたいなら辞めていただいて結構ですよ。豹牙さんには私から報告しておきます」

「そ、それは嫌です!」


同情心を込めて提案したのに即断られた。
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