冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる
手元の時計を確認したら5分過ぎていた。呼び出した側が遅刻するのはいかがなものか。
残念だが私はそこまで暇ではないので今日は帰ろう。
よっぽど重要な件であればまた後日連絡してくるだろう。
後回しにするとその分面倒くさくなるだろうが、このまま時間を浪費させられるのも嫌だ。
それよりも今日の夕飯の買い出しに行かないと。
そう思い、校門に向かって歩き出したときだった。
「さっ、冴妃さん!待ってください・・・!」
後ろからあやなに呼び止められた。
「遅かったですね」
ただ、息を切らしていないところを見ると歩いてきたらしい。
遅れてきたことに気づいていないのか、申し訳なさそうにもしていない。
しかもあやなは一人ではなかった。
「そちらは?」
「あっ、この人たちは冴妃さんのところに行くって言ったら・・・・・・着いてきてくれて」
「左様ですか」
今絶対「心配だから」が間に入ったな。