冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる


「せ、せっかく豹牙さんがわたしを必要としてくれたので、精一杯頑張ります!そしたらきっと、豹牙さんも振り向いてくれますよね・・・!」



つまり・・・どういうことだろうか。


私の疑問はあやなの表情を見た途端に解けた。


期待と不安がチラつく瞳と紅潮した頬。
そして豹牙さんの役に立つために地味子を演じることを辞めたあやな。


そうか、あやなは豹牙さんに恋をしているのか。



「・・・あなたの頑張り次第だと思いますよ。悩みが解消したようなので私はこれで失礼します。また何かありましたらご気軽にどうぞ」

「相談に乗ってくれてありがとうございます!」



毒にも薬にもならない言葉を嬉しそうに受け取ったあやな。
その横を通り過ぎ帰路に着く。


あやなのように豹牙さんを振り向かせようとする女子を星の数ほど沢山見てきた。
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