冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

特に足を組んで肘をつきながらコーヒーを啜る姿がかっこいいんですよね。

そう思いを馳せながらクッションに近づくと、昨日もそこで過ごされたのか、豹牙さんが座っていた形跡が残っていた。


そんなに居心地がいいんでしょうか・・・?


興味本位でそこに腰を下ろして寝転がってみると、ビーズの擦れる音と共に豹牙さんのハーバルノートの香りが鼻腔をくすぐった。

それにより悪夢のせいで乱れた心がだんだんと凪いでいく。


城ヶ崎悟は昨年度、高校卒業と同時に【堕天】からも去った。
今はヤツの弟である城ヶ崎(たける)が二代目総長を務めている。

だからもう気にする必要はないし、それに私たちは昨年ヤツごと【堕天】を下したんだ。


だから、大丈夫。─────本当に?


相反する気持ちが同時に浮かび上がってモヤモヤする。

寝不足気味ということもあって頭に霧がかかったようだ。

今考えたところでろくな結論が出ないな、と早々に区切りをつけて瞳を閉じた。
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