冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる
また、豹牙さんの空に囚われる。
「っ、」
グッと腰に手を回されているから距離をとることも叶わない。
「逃げるな。なんのことか分かってんだろ」
もしかしなくても、豹牙さんの姫になるかって話だ。
ふと脳内にモノローグが流れる。
昨年の10月【堕天】を下し学園の全てを手に入れた【黎明】。
その総長様が次に欲したのは富でも名声でもなく──私・・・・・・?
そんな考えがチラつくほど、豹牙さんの目は真っ直ぐ私を射抜いている。