冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる
揺れる瞳
一限目が始まる前の校舎裏にて。
砂にまみれ横たわった【堕天】の人間たちとそれを踏みつける【黎明】の総長。その傍らには震える【黎明】の姫。
この光景を見るのは何度目か、とため息が零れそうになる。
本来ならありえないことだ。
だって豹牙さんは滅多に学校に来ないから。
月に2、3回来ればいい方だ。
普段はお父上の会社の後継者として会議に参加されたり一部の業務をこなされたりしている。
それにもかかわらず、何の因果かあやなは豹牙さんとよく邂逅した。
しかも今回と同様、襲ってきた【堕天】の人間から守られるという形で。
豹牙さんは急いで駆けつけた私を、悠然と視界に捉えた。
「遅かったな」
「貴方が早いんですよ」
豹牙さんが【堕天】の人間を踏むのを辞め、私の肩をポン、と叩いた。
砂にまみれ横たわった【堕天】の人間たちとそれを踏みつける【黎明】の総長。その傍らには震える【黎明】の姫。
この光景を見るのは何度目か、とため息が零れそうになる。
本来ならありえないことだ。
だって豹牙さんは滅多に学校に来ないから。
月に2、3回来ればいい方だ。
普段はお父上の会社の後継者として会議に参加されたり一部の業務をこなされたりしている。
それにもかかわらず、何の因果かあやなは豹牙さんとよく邂逅した。
しかも今回と同様、襲ってきた【堕天】の人間から守られるという形で。
豹牙さんは急いで駆けつけた私を、悠然と視界に捉えた。
「遅かったな」
「貴方が早いんですよ」
豹牙さんが【堕天】の人間を踏むのを辞め、私の肩をポン、と叩いた。