冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる
「後処理は任せたからな」
「はい。行ってらっしゃいませ」
そう言い、胸を手を当て頭を下げると、豹牙さんは踵を返し去っていかれた。
これから会議に参加されるのだろう。
昨日資料をまとめているのを見た。
豹牙さんの後ろ姿が見えなくなったところで、遅れてやってきた私直属の構成員たちに【堕天】の奴らの対処を指示し、あやなに声を掛けた。
「怪我はありませんか?」
「は、はい。大丈夫です」
私がざっと見た感じでも問題なさそうだ。頬が赤いのは豹牙さんに見惚れていたからでしょうし。
「・・・豹牙さんって、かっこいいですよね」
「そうですね」
熱に浮かされたような呟きに同意する。
豹牙さんはかっこいいし綺麗だ。
その美貌は"中学1年生の秋"には既に完成されていた。
きっとそれ以前も見た目麗しかったのだろう。
想像にかたくない。