冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
いきなり後継者でお嬢様?
「これからひとりでどうしたらいいんだろう……」
わたし羽澄柚禾は、ひとりベッドの上で天井を見上げている。
かれこれ数日間、何もする気になれず、ただひとりの時間が過ぎていくばかり。
「おばあちゃん……っ」
幼い頃に両親を事故で亡くしてから、ずっと母方のおばあちゃんがわたしを育ててくれていた。
いつもそばにいて、どんなときもわたしの味方でいてくれた。
そんなおばあちゃんが、つい最近病気で亡くなってしまった。
わたしは他に身寄りがなく、これから先ひとりで生きていかないといけない。
おばあちゃんとの生活を思い出すだけで、まぶたがじわっと熱くなる。