冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
な、なんでふたりで使う部屋なのにベッドがひとつしかないの……。
「うっ……えっと、埜夜くんがベッド使って――」
「違うでしょ。ゆずも一緒に寝るんだよ」
「うぇ……きゃっ」
埜夜くんにギュッてされたまま、一緒にベッドに倒れ込んだ。
あ、う……どうしよう。距離が近すぎて、胸のドキドキが伝わりそう。
「ゆずとふたりで寝るのはじめてだね」
「し、心臓が爆発しそう……」
眠くなるどころか、自分の心臓の音が大きすぎて徹夜しそうな勢い。
「俺だってゆずが隣にいて余裕ないのに」
埜夜くんの心臓の音、ちょっとだけ速いかも。
でも、わたしのほうがドキドキしてる……。
「もしかして甘いことされるの期待してた?」
「なっ、してない……よ!」
「してたなら期待に応えようかと思ったけど」
「こ、応えなくて結構です」