冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
「な、なんでしょう」
「羽澄さんはお嬢様と執事の恋愛についてどう思う~?」
「ぶっ……!」
あ、危ない……。
飲んでいるアイスティーを噴き出すところだった。
「あらま。わかりやすいくらい動揺してるわね」
「な、なんでいきなりそんなこと聞くんですか?」
「もしかしたら、羽澄さんもそういうので悩んだりしてるかも~なんて。女の勘ってやつ?」
「は、はぁ……」
「この学園って、お嬢様と執事の恋愛は禁止とか特別なルールはないんだけどね。どうしても家柄を気にする関係性だから、恋愛が難しいって考える子もいるのよ」
家柄……か。
わたしはいきなり後継者になっただけで、ほんの少し前までは一般家庭で育ってきたし。
「立場の差とか……関係あったりするんでしょうか」