冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
還琉くんのことは嫌いじゃないのに、婚約とかは違うって思ってしまう。
「そうだ。よかったら今から僕の家に来ない?」
「え?」
「昔よく遊びに来てたでしょ? もっと柚禾と話したいんだ。どうかな?」
「あ、えぇっと……」
もうすぐ埜夜くんが迎えに来てくれるし。
すると、このやり取りをずっとそばで見ていた理事長さんが。
「いいんじゃない? 久しぶりの再会なんだし、少しお話しでもしてきたらどう? あなたの執事くんには、わたしのほうからうまく言っておくわよ?」
「柚禾と会えなかった時間を少しでも取り戻したいんだ」
こんなおねがいされたら、断るのが申し訳なくなってきた。
こうして、理事長さんのはからいで還琉くんのお屋敷にお邪魔することに。