冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
「ほんとはもっと早く伝えたかった。それに、柚禾が羽澄のおじいさんの家に引き取られたって聞いて、ますます早く伝えないとって思ったんだ」
「どうして?」
「柚禾は将来羽澄家を継ぐ人間だから、柚禾にふさわしい家柄の人間と婚約させられてもおかしくない。そう思ったら、いても立ってもいられなくなった。柚禾が将来、僕以外の
男と婚約するのが納得できないんだ。僕はずっと誰よりも柚禾を想い続けてきたのに」
「め、還琉くん……」
「ごめん。いきなりこんなこと言われても戸惑うよね。柚禾にも考える時間が必要だと思うし、焦って決めてほしくないんだ」
「う、うん」
「さっきも言ったけど、僕はこれから少しの期間、日本に滞在するから。会えなかった時間の分だけ柚禾と一緒に過ごしたい」