冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
さっきの埜夜くんの言葉の続き、聞きそびれちゃった。
たまに埜夜くんは、わたしに何か隠してるような言い方をするときがある。
あまり踏み込まないほうがいいのかな。でも気になったり……その繰り返し。
* * *
そんなこんなで調理実習は終了。
今日のお昼は、埜夜くんと中庭のテラスで過ごすことに。
さっきの調理実習で作った焼き菓子とカヌレも食べよう。
「埜夜くんと一緒に作ったら本格的なのできちゃったね」
「ゆずはお菓子作り壊滅的だったね」
「焼き菓子とかは苦手だけど、チョコレート作るのは得意なんだよ? 小さい頃よく作ってたから」
まだお父さんとお母さんと一緒に住んでいた頃、お菓子作りが得意なお母さんと、よく作ってた。
それをいろんな子に配ってたなぁ。