冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情


「おとなしく執事してるほうがいい?」

「うぅ……」


わたしの唇に触れて、キスできちゃいそうな距離まで迫ってきてる。


「ゆずから甘い匂いするね」

「チョコ食べてる……から」


「それ俺にもちょうだい」


下唇にふにっと触れて、ちょっとずつ口をあけさせようとしてくる。


や、やっぱりこれ以上はダメ。

慌てて唇の前に人差し指でバッテンを作った。


「なにこれ。邪魔なんだけど」

「じゃ、邪魔じゃない」


「キスさせてよ」

「ここ学校だし……誰が見てるかわかんないよ」


そ、それに……。


「埜夜くん止まらなくなると危ない、から」


「俺をそうさせてんのはゆずなのに?」

「うぅ……だからぁ」


止まってくれない、どうしよう。


「ね……ゆず」

「今はむりなのに……っ」


「無理じゃない、しよ」

「……んんっ」


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