冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情

「や、やよくんってばぁ……」

首だけくるっと後ろに向けると、チュッとキスしてきた。


「それ、逆に煽ってんのに」


最近わたしの身体おかしい。埜夜くんに触れられて熱くなると、瞳にじわっと涙がたまる。

悲しいとか怖いわけじゃないのに。


わたしの涙を見て、埜夜くんがちょっと心配そうにする。


「俺に触れられるの嫌？」

優しくそっと涙を拭ってくれた。


「い、嫌じゃないよ……」

「ほんとに？」


「埜夜くんにしか、触れてほしくない……」


ちゃんと目を見て伝えると、埜夜くんがため息をついて頭を抱えちゃった。


「あーあ……我慢の限界」

埜夜くんのちょっと呆れた声。


わたしがちゃんとできなかったから、愛想尽かされちゃった……？


埜夜くんの手によって、わたしの身体がふわっと浮いた。