冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
何も返せないまま……言われっぱなしも悔しい。
同時に、みんなから認めてもらえるように、まだまだ成長していかなきゃいけないんだって気づかされた。
すると、ずっと黙っていた埜夜くんが、スッとわたしの前に立った。
まるで、大人たちからわたしを守るように。
「柚禾お嬢様、行きましょう」
「で、でも……」
「それでは柚禾様はこれで失礼いたします」
埜夜くんに手を引かれて、その場をあとにした。
散々な言われようだったから、埜夜くんなりに気を遣ってくれたのかもしれない。
部屋に入った途端、埜夜くんが優しく抱きしめてくれた。
「……あんなの気にしなくていいから」
とっても心配してくれてるのが伝わる。
やっぱり、埜夜くんはいつだってわたしを守ってくれる。