冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
「勝手に言わせておけばいい。俺からゆずのおじいさんにも報告しておくから」
「……うん。いろいろ複雑だけど、わたしは平気だよ」
「……俺の前では無理しないで」
「してないよ。それに、いつもそばに埜夜くんがいてくれるから」
埜夜くんが一緒だから心強いし、どんなことも乗り越えられる気がするの。
「さっき、ありがとう……守ってくれて。埜夜くんがいなかったら――」
「守るって決めたから」
埜夜くんの中で何か覚悟を決めてるような……そんな強さが伝わってくるような気がする。
「だから柚禾も……もっと俺を頼ってほしい。柚禾に傷ついてほしくない」
すべての人に認めてもらうのは難しいし、時間だってかかるかもしれない。
こんな風に言ってくれる埜夜くんに心配をかけないためにも、強くならなきゃ。