冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情


「ごめんなさい。わたしはたしかに羽澄家にふさわしくないかもしれない。史奈さんが納得できない気持ちもわかります」


「は……? いや、だからなんなの……!」


「史奈さんが小さい頃からどれだけ我慢して、羽澄家の名に恥じないように、周りから認めてもらえるように努力してきたか、わたしには想像することしかできない」



きっと、底知れぬ努力を積み重ねて、周りの期待に応えられるように、認めてもらえるように成長してきたんだと思う。



「わたしはまだまだ未熟で、史奈さんみたいにわたしのことをよく思わない人もいると思う」


実際わたしは今まで一般家庭で育ってきて、この世界の大変さや苦しさはまだほとんどわかってない。



「今は認めてもらえないことばかりかもしれないけど……。いつか、ほんの少しでも成長したって思ってもらえるように努力するって約束します……! だから、史奈さんが今ま
で努力してきたことを無駄だなんて言わないでほしい」


「っ……」


「史奈さんみたいに胸を張って努力してきたって言えるように、これからたくさん経験を積んで、周りに認めてもらえるようにわたしも頑張ります」


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