冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
「理事長も相変わらずぶっ飛んだこと言うな」
「わ、わたしと埜夜くん離れることになるの?」
「俺はゆずのそばを離れるつもりはまったくないけど」
「わたしも埜夜くんと一緒にいたい……」
みんなから見えないように、埜夜くんの執事服の裾をキュッとつかんだ。
「俺以外の男がゆずのそばにいるとか無理」
理事長さんの言うことはぜったいだから。
こうなると、あとは運に頼るしかない。
どうか埜夜くんがこのまま執事でいてくれますように……!
そう願って、クジを引いた結果。
「わぁ、わたし栖雲くんだ~! よろしくね!」
「数日ですがよろしくお願い致します……実海お嬢様」
埜夜くんが仕えるお嬢様は、実海ちゃんに決定。
わたしはというと……。
「え、えっと、加賀美くん。数日だけどよろしくです」