冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
「はい。こちらこそよろしくお願いします、柚禾お嬢様」
クジの結果、わたしの執事は加賀美くんに決定。
それぞれトレードされた組み合わせで、執事がお嬢様の横についた。
なんかすごく変な感じ……。
埜夜くんが、わたしじゃない子のそばにいるのが。
埜夜くんの隣は、いつもわたしだったのに……今は違う。
「さーて、組み合わせも決まったことだし! 今から二週間、新しいお嬢様と執事でいい関係を築いてちょうだいね~。それじゃ、今日はこれで解散!」
まさかこんなかたちで、埜夜くんと離れることになるなんて。
* * *
迎えの車で加賀美くんとお屋敷に帰ってきた。
「柚禾お嬢様」
「は、はい!」
「そんなかしこまらなくて大丈夫ですよ」
「うっ、いや……なんか慣れないなぁって」