冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情


「埜夜なりに、何か考えてることや抱えてることがあるのかもね。幼なじみの俺もあんま深くは知らないんだけどさ。ただ……埜夜はたぶんずっと前から柚禾ちゃんのそばにいる
ことを決心してたと思うよ」


「え……?」


「今度機会があれば聞いてみるといいかもね。少し昔……幼い頃の話とか」


* * *


それから埜夜くんがそばにいない生活がスタート。


これが結構いろいろ大変で。


加賀美くんは執事として本当にきちんとしてくれてるし、文句の付けどころもないくらい完璧……なんだけど。


わたしが埜夜くんのいる生活に慣れてしまっていたツケが回ってきてる。



まず朝、加賀美くんが起こしに来てくれるんだけど、まったく目が覚めない。


起きてからもずっと頭がボーッとしてる感じ。


そういえば……朝起きるのが苦手なわたしのために、埜夜くんがいつも寝る前にアロマを焚いてくれてたっけ。


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