冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情


いつも当たり前のようにしてもらってたけど、それは当たり前じゃないんだ。


それに朝食もわたしが苦手な食材がたくさん入ってる。


今までずっと、食事で苦手なものが出てきたことがなかった。


夕食のときもあまり食事が進まない。


「柚禾ちゃん、大丈夫? 食欲ない?」

「あ、えっと……わたしじつは結構偏食で。食べられるものが少なくて」


「そうだったんだ。ごめんね、全然気づけなくて」


「ううん、加賀美くんは何も悪くないよ!」


でも今までこんなことなかったのは、どうしてだろう?


すると、部屋の扉がノックされて慌てた様子でシェフの人が入ってきた。


「柚禾お嬢様! 大変申し訳ございません!」

「え、え?」


「以前から柚禾お嬢様の苦手な食材をうかがっていたのですが、ここ数日別のシェフが料理を作っており、配慮が足りておらず申し訳ございませんでした……!」


< 159 / 242 >

この作品をシェア

pagetop