冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情


「僕と柚禾がデートするのは何も問題ないですよね?」


還琉くんが加賀美くんにたいして言った。


「はい。わたしからは何も言うことはございません」


「それじゃあ、今日一日僕が柚禾をあずかるので」


え、あれ……これってデートするのは決定なの?


ボケッとしてる間に、還琉くんがわたしの手を引いて部屋を出ようとしてる。


去り際に、加賀美くんが「……ったく、埜夜も柚禾ちゃんもふたり揃って世話が焼けるな」なんてことを言いながら、どこかに電話をかけてるのが見えた。


* * *


「わぁ、懐かしい! ここよく遊びに来てたところだ!」


やって来たのはテーマパーク。


「ここなら楽しめると思ってさ」


まだ幼かった頃、家族ぐるみでよくここに来てたなぁ。

そのときいつも還琉くんと絶叫系のアトラクション巡りしてたっけ。


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