冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
「柚禾にどうしても話しておきたいことがあってさ」
「……?」
「僕もうすぐロンドンに帰るんだ」
え……?
帰ってきたばかりなのに……またロンドンに戻っちゃうなんて。
てっきり、このまましばらくは日本にいると思ってたから。
「柚禾……僕と一緒にロンドンに来てほしい」
「……え」
「このままロンドンに戻ったら、僕はもう日本に帰ってくることはない」
「な、なんで……」
「今回日本に帰ってこれたのは、僕が父さんにお願いしたから。どうしても柚禾に会いたくて、少しだけ自由な時間をもらったんだ」
「…………」
「本当は日本に帰ることを反対されてた。ロンドンにいる間も、父さんの会社を継ぐ関係で経営学の勉強とかでなかなか自分の時間も取れなくてさ。けど、なんとか父さんを説得して、やっと柚禾に会うことができた」