冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情


そこまでして、わたしに会いに来てくれたなんて……。


「日本に帰ってきて、つかの間だったけど柚禾と過ごせたことが、僕にとってはすごく幸せなんだ」

「っ……」


「その幸せをこれで終わりにしたくない。できることならずっと、ずっと……柚禾と一緒にいたい」


痛いほどまっすぐ想いは伝わってくるのに。


「もう柚禾のそばを離れたくないんだ」


わたしは、きっと……その想いには応えられない。


還琉くんがわたしを想ってくれてることも、わたしのために日本に帰ってきてくれたのも……ぜんぶわかるの。



でも、どうしてもわたしの気持ちは――。


「め、還琉く――」


「すぐじゃなくていい。僕と一緒の時間を過ごしていくうちに、少しずつでいいから僕を好きになってほしい」


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