冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
「まだわかってないんだ?」
コツンとおでこがぶつかった。
触れそうで触れない距離に、また心臓がうるさくなる。
やっぱり、埜夜くんだから…ドキドキするんだ。
それに、好きって気持ちがどんどん大きくなってる。
いつかこの想いが、あふれちゃうかもしれない。
それからしばらくソファでまったり過ごしてると、寝る前に埜夜くんが紅茶を淹れてくれた。
「あっ、ありがとう」
埜夜くんが離れていっちゃう。
わたしが眠そうになってきたら、埜夜くんは部屋から出て
いくから。
とっさに埜夜くんの執事服の裾をつかんだ。
「どうした?」
「埜夜くんも、そばにいて」
わたしの隣に腰を下ろしてくれた。
埜夜くんのそばにいられるのは、わたしだけの特権。
他の子には渡したくないって思っちゃう。