冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
執事VS幼なじみ


気づいたらもう十二月で、学園は冬休みに入った。


今日はおじいちゃんの会社、羽澄グループのパーティーがある日。



世間に正式に後継者と発表するのは、わたしが高校を卒業してから。

そのときが来たら、会社関係者をはじめ、さまざまなメディア関係者を呼んでの大きな発表になるらしい。



まだもう少し先のことだけど、こういう場に慣れたほうがいいって、おじいちゃんの提案で今日のパーティーに出席することになった。


もちろん埜夜くんも一緒。


「やっぱりこういう雰囲気って緊張する」

「まだ慣れない?」


「おじいちゃんの会社関係の人とかいるわけだし……」


「ゆずは自信持っていいよ。もっと胸張っていいと思う」


今もパーティーの雰囲気に緊張して、落ち着かない。


広々としたホテルのホールを貸し切った会場。


会社関係者っぽいスーツを着た大人たちがたくさん。


わたしに声をかけてくる人はいないけれど、おじいちゃんは羽澄グループの会長だから、いろんな人に声をかけられてる。


< 185 / 242 >

この作品をシェア

pagetop