冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
執事VS幼なじみ
気づいたらもう十二月で、学園は冬休みに入った。
今日はおじいちゃんの会社、羽澄グループのパーティーがある日。
世間に正式に後継者と発表するのは、わたしが高校を卒業してから。
そのときが来たら、会社関係者をはじめ、さまざまなメディア関係者を呼んでの大きな発表になるらしい。
まだもう少し先のことだけど、こういう場に慣れたほうがいいって、おじいちゃんの提案で今日のパーティーに出席することになった。
もちろん埜夜くんも一緒。
「やっぱりこういう雰囲気って緊張する」
「まだ慣れない?」
「おじいちゃんの会社関係の人とかいるわけだし……」
「ゆずは自信持っていいよ。もっと胸張っていいと思う」
今もパーティーの雰囲気に緊張して、落ち着かない。
広々としたホテルのホールを貸し切った会場。
会社関係者っぽいスーツを着た大人たちがたくさん。
わたしに声をかけてくる人はいないけれど、おじいちゃんは羽澄グループの会長だから、いろんな人に声をかけられてる。