冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
きちんと伝えないといけない……わたしの今の気持ちを。
すると、還琉くんの目線が埜夜くんに向いた。
「柚禾のところに戻ってきたんですね」
「……はい。お久しぶりです」
「僕としては、あのまま柚禾から離れてもらうほうが都合よかったんですけどね」
「…………」
「そうだ、柚禾。今から僕とテラスで少し話さない?」
還琉くんに手を取られる寸前、埜夜くんがそれを阻止した。
「還琉様、外は今とても寒いです。柚禾お嬢様の体調を気にしていただけたらと」
「それじゃあ、柚禾とふたりで話をさせてくれる? もちろん、柚禾のことを考えて外には連れて行かない」
「…………」
「執事のキミには少し外してほしいんだ」
「……柚禾お嬢様はどうしたいですか?」
「え、あっ、わたしは……」