冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
「そういえばずっと前から気になっていたんだけど、キミは柚禾の執事であって、柚禾に対して特別な感情は抱いてないよね?」
還琉くんは何が言いたいの?
いつもの還琉くんらしくない。
「柚禾は必ず僕が幸せにする。キミみたいな執事に何ができる? ただの執事が柚禾を幸せにできるとでも?」
「…………」
「柚禾を想うなら、どうすべきか……答えは出てるんじゃ?」
ここまで言われて、埜夜くんはなんて言うの……?
もし、還琉くんといるほうが幸せだなんて言われたら――。
「……柚禾の幸せは柚禾自身が決めることで、あなたが決めることじゃない」
はっきり強く、埜夜くんの言葉が伝わってきた。
さらに。
「ただ……柚禾が俺を選んでくれるなら、誰にも渡すつもりはない」
「へぇ……キミにもそれなりの覚悟があるんだ?」