冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情


「そういえばずっと前から気になっていたんだけど、キミは柚禾の執事であって、柚禾に対して特別な感情は抱いてないよね?」


還琉くんは何が言いたいの?

いつもの還琉くんらしくない。


「柚禾は必ず僕が幸せにする。キミみたいな執事に何ができる? ただの執事が柚禾を幸せにできるとでも?」


「…………」


「柚禾を想うなら、どうすべきか……答えは出てるんじゃ?」


ここまで言われて、埜夜くんはなんて言うの……?


もし、還琉くんといるほうが幸せだなんて言われたら――。


「……柚禾の幸せは柚禾自身が決めることで、あなたが決めることじゃない」


はっきり強く、埜夜くんの言葉が伝わってきた。

さらに。


「ただ……柚禾が俺を選んでくれるなら、誰にも渡すつもりはない」


「へぇ……キミにもそれなりの覚悟があるんだ?」


< 188 / 242 >

この作品をシェア

pagetop