冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
それはつまり……埜夜くんがわたしのそばを離れるってこと……?
「僕が負けたら、潔く柚禾から身を引く。この条件でどうですか?」
この勝負が、何かの区切りになるかもしれない。
埜夜くんはどうするんだろう。
しばらく黙り込んだあと、埜夜くんは何かを決心したように一度わたしを見た。
そして、その目線を還琉くんに向けた。
「……わかりました」
「それじゃあ、柚禾をかけて勝負だ。どちらが勝っても文句なしってことで」
決まったからには、わたしは埜夜くんを信じるしかない。
「それじゃ、勝負は三日後ね。時間はまた追って連絡するわ! 場所は英華学園の理事長室に集合で。当日、桔梗くんは学園に入ることをわたしが許可しておくから」
勝負の内容は理事長さんが決めることになった。