冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
* * *
そして迎えた三日後。
今日が埜夜くんと還琉くんの勝負の日。
勝負するのは埜夜くんなのに、わたしのほうが緊張してる。
「や、埜夜くん」
「ん、どうした?」
埜夜くんは、いつもと変わらない様子。
反対にわたしは不安がうまく隠しきれない。
埜夜くんを信じるって決めたはずなのに。
でも、もし還琉くんが勝ってしまったら。
わたしは埜夜くんのそばにいられなくなるの……?
今わたしの中にある埜夜くんへの想いはどうなるの……?
還琉くんの真っすぐな想いも、わたしを大切にしてくれてるのも十分わかる。
それでも……埜夜くんのそばにいたいと思うわたしは、自分勝手なのかな。
「……柚禾。俺を信じて」
「っ……」
「俺はぜったい柚禾のそばを離れない」
この言葉にきっと嘘はない。