冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情


* * *


理事長室に着くと、もうすでに還琉くんがいた。


「さて、ふたりとも揃ったわね。それじゃあ、勝負の内容を発表しまーす!」


今日まで勝負の内容はいっさい聞かされていない。緊張からゴクッと喉が鳴る。



「ふたりには、羽澄さんにとって大切な思い出の場所を当ててもらいます! そして、その場所に行ってもらいまーす!」


「なるほど。正解は柚禾しかわからないってことですね」


「その通り! 羽澄さんを想う気持ちが強いなら、きっとわかるはずよ」


それぞれ考えて、その場所に行ってわたしがいれば勝ちということになる。



「はーい、それじゃあシンキングタイム! 今から二時間以内にその場所に行ってもらうから。着いたらわたしに連絡すること! あ、もちろん羽澄さんも思い出の場所を考えてちょうだいね。それと、ふたりが勝負してる間はわたしと一緒にいてもらうから」


< 193 / 242 >

この作品をシェア

pagetop