冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情


埜夜くんも還琉くんも……どちらもわたしにとっては大切で。



「相手を傷つけたくない気持ちがあるかもしれないけれど……。中途半端な状態のほうが、もっと相手を傷つけることだってあるのよ。ここであなたの気持ちをはっきりさせなさい」


理事長さんの言う通りだ。


埜夜くんを好きな気持ちは変わらないんだから。


「あ、ありがとうございます。自分の幸せをきちんと考えて、自分の気持ちに正直になろうと思います」


「そうね。それが大切よ。あとは、正解になる場所を決めないとね。あなたにとっていちばん思い出に残ってる場所はどこかしら?」


「わたしにとって思い出の場所……あっ」


「思いついた?」

「は、はい」


< 195 / 242 >

この作品をシェア

pagetop