冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情


ひとりで泣くと、心がどんどん弱くなっていく。


強く生きなきゃいけないのに。


瞳からこぼれそうな涙を手で拭うと、家のインターホンが鳴った。

出る気になれないから居留守を使おう……。


しばらくしたら諦めてくれると思ったけど。

「うーん……しつこい……」


鳴りやむどころか、ずっと鳴ってる。


「もう……こんなときに誰」


重たい身体を起こして玄関へ……扉を開けてびっくりした。


「え、どちら様ですか」


開ける前に確認すればよかった。見るからに怪しそうな黒服を着た男の人たち三人が立っている。


だ、誰この人たち。


「羽澄柚禾様ですね」

「は、はぁ……そうですけど」


< 2 / 242 >

この作品をシェア

pagetop