冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
「急いだほうがいいよ。もう埜夜は空港にいるだろうから」
教室を飛び出して、すぐに迎えの車で空港へ。
ギリギリ間に合わないかもしれない。
でも、最後に埜夜くんと少しでもいいから話したい。
空港になんとか到着したけど、人多いし空港内が広すぎて見つけられない。
「もうっ、国際線のターミナルどこ……‼︎」
人混みをかき分けて探すけど、全然見つからない。時間がないのに。
「搭乗手続きしちゃったかな」
どれだけ探しても、埜夜くんはいない。
このままお別れなんて嫌だよ。
もう一度、空港内をぐるりと見渡すと。
「え、あっ……いた」
これほぼ奇跡かも。
「埜夜くん……‼︎」
こんな大きな声を出したの久しぶりすぎる。
人の目とかすごいけど、今はそんなの気にしていられない。