冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情


「わー、あなたが羽澄さんね! 入学おめでとう! わたしはこの学園の理事長の籠橋(かごはし)です~、よろしくね」


この人が理事長⁉︎

なんだかとってもハイテンションな人だ。


「理事長、落ち着いてください。柚禾お嬢様が戸惑われています」


「えー、せっかく挨拶できたのに~? わたしね、あなたに会えるのとっても楽しみにしてたのよ? なにせ、特進科に新しい子が入るなんて久しぶりだから」


なんて言いながら、わたしの頭をよしよし撫でてくれた。


「さてとっ、それじゃ彼女にはこれを渡さないとね」


茶色の少し大きめの箱。

中を開けてみると、キラキラ輝くティアラが入っていた。


「それはね、特進科の子にだけ与えられる特別なティアラなの。三年後の卒業セレモニーで使用するものよ」


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