冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
執事としてじゃなくて
埜夜くんが日本を離れて数日。
ブラジルへ行ってしまってから、全然連絡を取ってない。
ブラジルにいる間は向こうでの生活を優先するために連絡を取るのを禁止されている。
だから毎日、埜夜くんのことが気になってばかり。
最後に空港でふたりで撮った写真を見ては、埜夜くんを思い出したり。
一日が過ぎるのがとても長く感じる毎日。
そんなこんなで、埜夜くんが日本を去って二週間。
「や、やっと今日埜夜くんが帰ってくる!」
ほんとは空港まで迎えに行きたかったけど、おじいちゃんが反対。
遅い時間の飛行機で帰ってくるから、お屋敷で待ってるようにって。
時刻は現在、夜の九時を回った頃。
「まだかなぁ……」
ベッドの上でクッションを抱えてゴロゴロ。
早く埜夜くんに会いたいなぁ。
それからずっと起きて待っていたけど、なかなか帰ってこず。
「ふぁ……眠くなってきた」
あくびが止まらなくて、睡魔に勝てそうにない。
うとうとしながら、なんとか頑張って起きてたけど……気づいたらまぶたが重たくなっていた。
いちばんにおかえりって言いたかったなぁ……。