冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
ひとり不安になってると、メイドさんが心配そうに声をかけてくれた。
埜夜くんのこと何か知ってるかもしれない。
「あの、埜夜くんはどこにいますか?」
「栖雲さんだったら、一時間ほど前にお屋敷を出られましたよ」
「行き先とかって」
「柚禾お嬢様のおじい様の別宅かと。何かお話があるようで」
気になって仕方ない。
でも、ここでわたしが行くのは迷惑なのかな。
スマホで埜夜くんに連絡しようとしたら、メッセージが一件届いていた。
【お昼には戻るから。ゆずは屋敷で待ってて】
なんかわたしずっと待ってばかりじゃない?
でも、帰国したら理由を話してくれるって言ってたし。
埜夜くんを信じるって決めたから、勝手な行動は控えるけど。
それから午前中は時計を気にしながら過ごした。