冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
「わたしまだ埜夜くんの気持ち、ちゃんと聞いてないよ」
「ゆずのおじいさんに、きちんと認めてもらえたから」
先の言葉が早く聞きたい。
でも、何を言われるのか少し不安だったりもする。
埜夜くんの真っすぐな瞳が、しっかりわたしをとらえた瞬間。
「俺はずっと前から柚禾のことが好きだよ」
たしかにちゃんと聞こえた〝好き〟って二文字。
耳に届いたはずなのに、うまく受け止められなくて。
「っ……え、ほ、ほんと?」
「うん。柚禾が俺を想うよりずっと前から」
「うぇ……、うそ……っ」
「そんな信じられないなら証明してあげよっか?」
「ど、どうやって……?」
わたしの頬に軽くキスをして、そのままそっと耳元で甘くささやいた。
「柚禾のこと……本気で愛してるよ」
「っ……‼︎」
「これでもまだ足りない?」