冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
「う、あ……っ、もう十分」
これで、わたしと埜夜くんは両想いってこと?
好きな人と想いが通じる瞬間って、こんな幸せでドキドキするんだ。
「わ、わたし埜夜くんの彼女?」
「俺の彼女は一生、柚禾だけ」
「うぅ……幸せすぎておかしくなりそう……っ」
そんなわたしを愛おしそうな瞳で見てくる埜夜くん。
「両想いって実感ない……」
「んじゃ、実感してみる?」
お互い目が合ったまま、軽く唇に触れるキス。
「……どう? これで実感した?」
ちょっとの間触れたら、チュッとリップ音を残して離れていっちゃった。
「もっと甘いのしたい?」
「う……ぇ、あ……えと」
「俺はしたいけど……ゆずは?」
埜夜くんの親指が、わたしの唇にグッと押し付けられる。
指で軽くなぞったり、ふにふに触れたり。