冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情
* * *
あれから数時間後。
埜夜くんが行きたいところがあるみたいで、一緒に車で向かうことになった。
「どこに行くの?」
「俺の思い出の場所」
一時間ほど車に揺られて、ここから先は少し歩くことに。
自然に囲まれて、緑がとっても豊かな場所。
どことなくだけど、来たことあるような気がする。
まだお母さんとお父さんがいた頃……よく遊びに来てた場所かな。
そして、とある建物の前に着いた。
「ここって教会?」
「そう。俺とゆずがはじめて会った場所」
「えっ……?」
わたしと埜夜くんがはじめて会ったのは、わたしが後継者として呼ばれたあの日じゃないの?